日経平均よりTOPIXの方が合理的だと思う理由
はじめに
SBI証券の月間積立ランキングを見ていて、少し気になることがありました。
1位と2位はオルカンとS&P500で、これは納得です。
ただ、3位以下を見ていくと日経平均に連動するファンドが上位に入っています。
積立額ランキングでは2位、積立件数ランキングでは4位です。
一方でTOPIXは積立額では6位、件数では3位という結果でした。
なぜ日経平均がここまで選ばれているのか。
私はTOPIXの方が合理的だと思っているので、その理由を書いていきます。
日経平均とTOPIXの違い
まず仕組みの違いを整理します。
日経平均は225銘柄で構成されており、価格加重平均という方式を採用しています。
価格加重平均とは、株価の高い銘柄ほど指数への影響が大きくなる方式です。
つまり、株価が高いというだけで指数全体を動かす力を持つことになります。
わかりやすい例を挙げると、ユニクロを展開するファーストリテイリングは株価が非常に高いため、日経平均全体の動きに大きな影響を与えます。
一方TOPIXは、東京証券取引所に上場している全銘柄(プライム市場)を対象とした時価総額加重平均型の指数です。
時価総額加重平均とは、企業の規模(時価総額)に応じて指数への影響度が決まる方式です。
銘柄数も2000社を超えており、日経平均の225銘柄とは大きく異なります。
なぜ時価総額加重平均の方が合理的か
時価総額加重平均が合理的だと思う理由はシンプルです。
市場が評価している企業の規模をそのまま反映しているからです。
価格加重平均の場合、株式分割をしただけで指数への影響度が変わります。
企業の実態は何も変わっていないのに、株価という数字だけで影響度が決まってしまう。
これは指数として本質的ではないと思っています。
時価総額加重平均であれば、企業の実際の規模や市場での評価が指数に反映されます。
再現性という意味でも、時価総額加重平均の方が理にかなっていると思っています。
S&P500もオルカンも時価総額加重平均
ここで一つ気づいてほしいことがあります。
多くの人が積立しているS&P500もオルカンも、どちらも時価総額加重平均型の指数です。
S&P500はアメリカの主要500社を時価総額加重平均で算出した指数です。
オルカンも同様に、全世界の株式を時価総額加重平均で算出しています。
つまり、S&P500やオルカンを選んでいる人は、すでに時価総額加重平均が合理的だという判断を無意識にしていることになります。
日本株に投資するなら、同じ基準でTOPIXを選ぶ方が一貫性があると思っています。
TOPIXにも課題はある
ただし、TOPIXにも課題がないわけではありません。
2000銘柄を超える銘柄数は、分散という観点では優れています。
しかし裏を返せば、流動性の低い銘柄も多く含まれており、多すぎるという見方もできます。
この点については東京証券取引所も問題意識を持っており、現在組入れ基準の見直しが進められています。
流動性の低い銘柄を除外する方向で改革が進めば、TOPIXはより洗練された指数になっていく可能性があります。
完成形ではないけれど、方向性は正しいと思っています。
それでも日経平均が人気な理由
では、なぜ日経平均がこれだけ選ばれているのでしょうか。
理由はおそらくシンプルで、知名度です。
「日経平均が〇〇円」という表現は毎日ニュースで流れます。
TOPIXが何ポイントかを知っている人は、日経平均を知っている人より圧倒的に少ないはずです。
毎日耳にする指数への親しみが、そのまま積立の選択につながっているのだと思います。
積立額と積立件数でランキングが異なっていたことも気になりました。
積立額では日経平均が上、件数ではTOPIXが上という結果です。
これは推測ですが、資金に余裕のある年配の方が日経平均を選びやすく、若い世代はSNSや情報収集を通じてTOPIXを選んでいる可能性があります。
日経平均への親しみは、長年ニュースで見てきた刷り込みによるものが大きいのかもしれません。
私の結論
最近、多くのアナリストや機関投資家が「今後10年、S&P500は他の資産クラスに対してアンダーパフォームする」という予測を出しています。
そういった話を聞くと不安になる人もいると思いますが、私はそれほど悲観していません。
低迷や停滞はインデックス投資における買い時でもあるからです。
安く買えるということは、同じ金額でより多くの口数を積み立てられるということです。
日経平均の話に戻すと、仮に今後10年間で年率7%程度の成長が続いた場合、日経平均は10万円を超える計算になります。
かつての「失われた30年」のような停滞期(年率0〜1%程度)を考えると強気に見えますが、今の日本市場を取り巻く環境の変化を踏まえると、年利7%は十分にあり得るシナリオだと思っています。
・東証による企業価値向上要請とコーポレートガバナンス改革の進展 ・自社株買いや増配など株主還元意識の高まり ・円安を背景とした輸出企業の収益改善と業績の底上げ(ただし実質実効為替レート(REER)で見ると現在の円は過去最安圏にあり、長期的には修正される可能性も考慮が必要です) ・外国人投資家の日本株への再評価の動き
こうした構造的な変化が重なっている今の日本市場は、かつての停滞期とは少し異なる局面にあると感じています。
ただし、それ以上となると現状では正直なかなか想像ができません。
そもそも私が日本株を積立てていない理由もそこにあります。
10年間アンダーパフォームしたとしても、その後に世界経済の中心であるアメリカが再びアウトパフォームすると信じているからこそ、私はS&P500やNASDAQ100といった米国100%のインデックスの積立を続けていきます。
