インデックス投資で一番大事なのは「買うこと」ではないと思っている理由
昨今、「オールカントリー(全世界株式)」や「S&P500」を買っておけば間違いない、という情報をよく目にします。
まるでノーリスクで資産が増えるかのように語られることも少なくありません。
しかし、そうした情報を無条件に盲信してしまうのは危険だと思っています。
確かに、積立投資を長期間継続した場合、過去15年をどの期間で切り取っても元本割れが発生しなかったというデータがあります。
また、同等以上のパフォーマンスをアクティブファンドや個別株で継続的に出すのは非常に難しいというのも事実です。
ただし、それはあくまで過去の実績であり、将来の利益を保証するものではありません。
不安を煽るつもりはありませんが、
オルカンやS&P500のような時価総額加重平均型の株価指数への投資が、コストパフォーマンスに優れているのは事実です。
世界中の技術は日々進歩し続けています。
それによって生産性は向上し、新しい産業が生まれ、企業は利益を拡大してきました。
加えて、世界全体で見れば人口は増え続けており、
労働力も消費者の数も、長期的には拡大してきました。
実際、長期的に見れば
・世界のGDP
・企業の利益
・株価指数
これらは、戦争や恐慌を乗り越えながら成長してきました。
つまり、オルカンやS&P500のような株価指数に投資するということは、
特定の企業に賭けるのではなく、
技術の進歩と人口増加による「世界全体の成長」に投資する行為だと言えます。
しかし忘れてはいけないのは、
世界経済が何事もなく成長し続けるわけではないという点です。
暴落は必ず起こります。
もしそれが、自分の引退時期と重なってしまった場合、
老後の生活は想像以上に厳しいものになるかもしれません。
ここで、もう一つ知っておいてほしいことがあります。
「リスクを取りたくないから現金で貯蓄している」
そう考える人も多いと思います。
しかし実は、現金で持つことも“リスクを取っている状態”です。
インフレが起きれば、お金の価値は目減りしていきます。
リスクを取らなければリターンは得られません。
しかし、リスクを取ったからといって、必ずリターンが得られるわけでもありません。
中には、リスクだけ高く、リターンがほとんど無い、あるいはマイナスになる商品も存在します。
私が伝えたいのは、
「オルカンやS&P500に積立投資をしていれば間違いない」
という理由だけで、投資を始めてはいけないということです。
最も重要なのは、入口ではなく出口です。
・老後、月々いくらあれば生活できるのか
・その金額を毎月取り崩す場合、いくら必要なのか
・そのために、毎月いくら積み立てる必要があるのか
・退職直前に暴落が来てもすぐに取り崩さなくて済むよう、
・現金や株価と異なる動きをする資産をどれくらい持つべきか
こうしたことを考え、逆算して積立投資を始めるべきだと思っています。
そして、積立投資においてもう一つ大事なことがあります。
それは、簡単に売らないことです。
途中で暴落が起きても、
出口戦略を考えた上で積み立てている人は、
感情的に売ってしまう可能性を下げることができます。
その結果、ただ何となく積立投資をしている人よりも、
老後資産を途中で手放してしまうリスクを小さくできるはずです。
だからこそ、オルカンやS&P500に投資する前に、
「自分はいつ、いくら必要なのか」
これを一度でも考えておくことが大切だと思います。
過去の実績を理解し、将来は保証されないことを受け入れた上で、
自分のリスク許容度の範囲内で投資を行うこと。
それが長期投資を続けるために最も重要なことだと考えています。
