雇用統計ショックでNASDAQ急落——SOXXと地政学リスクの影響を解説

エクラ

今週の市場概況

今週の米国市場は、中東の地政学リスクが週を通じて市場を揺さぶる展開となりました。週初はイラン情勢をめぐる不透明感から原油価格が乱高下し、株式市場も方向感を欠く動きが続きました。火曜日にかけては「原油急騰と株高の同時発生」という異例の局面も見られ、エネルギー株や半導体株が一時的に物色される場面もありましたが、市場全体としての上値は重い状況が続きました。

週半ばにかけては、AI需要への期待からSOXX(半導体ETF)が急騰するなど、銘柄・セクター間での二極化が鮮明になりました。一方で、原油高が長引けば「戦争インフレ」を招き、FRBの金融政策を一層複雑にするとの懸念が徐々に広がり、ハイテク・グロース株中心に売り圧力が強まっていきました。

週末金曜日に発表された雇用統計が市場予想を大きく外れるネガティブサプライズとなり、SOXXをはじめとした半導体株が急落。NASDAQを中心に週間を通じて大幅な下落で締めくくる形となりました。S&P500は週間▲2.77%、NASDAQ100に至っては▲5.07%と、今年の中でも厳しい1週間となりました。暗号資産市場ではビットコインが▲13.52%と特に大きな下げを見せ、リスクオフの流れが幅広い資産クラスに及んだ週といえるでしょう。


マーケットデータ

銘柄週初終値週末終値週間騰落率
S&P500(SPY)$758.54$737.55▲2.77%
NASDAQ100(QQQ)$742.74$705.06▲5.07%
ダウ平均(DIA)$511.44$509.70▲0.34%
金(GLD)$411.26$396.24▲3.65%
ビットコイン(BTC)$71,148.57$61,532.01▲13.52%

ダウ平均の下落幅が比較的小さかったのは、ディフェンシブ銘柄や景気敏感株が相場を下支えしたためと考えられます。一方、ハイテク比率の高いNASDAQ100の下落が際立っており、金利・地政学リスクへの感応度の高さが改めて意識された形です。金(GLD)まで下落したのは、原油高→インフレ懸念→実質金利の上昇圧力という連鎖が意識されたためではないかと見ています。


今週のトピックス

月曜日(6/1)

米国「条件付き関与」縮小が原油・株式市場に与える影響を解説

週明けは、米国がイラン核交渉における「条件付き関与」の姿勢を後退させたとの報道をきっかけに、地政学リスクへの警戒感が高まりました。原油市場では供給不安から価格が上昇し、VIX(恐怖指数)もじわりと上昇。日本人投資家にとっても無視できない動きで、円安・資源高というダブルパンチが家計やポートフォリオに影響を及ぼす可能性が意識され始めた日となりました。

関連タグ: VIX/原油価格/イラン核交渉


火曜日(6/2)

原油急騰と株高が同時に起きた理由——ホルムズ海峡リスクを解説

この日は「原油高なのに株も上がる」という、やや不思議な展開が見られました。ホルムズ海峡の通航リスクが意識される中、エネルギー株が大きく買われ、全体指数を押し上げる格好となりました。原油高はインフレ要因として警戒されることが多い一方、エネルギーセクターの収益改善期待から買いが入るという構造が鮮明になった日といえます。ただし、この株高が持続的なものかどうか、週後半の展開が試金石となることは明らかでした。

関連タグ: 原油/ホルムズ海峡/エネルギー株


水曜日(6/3)

SOXXが急騰した理由とは?AI需要とイラン制裁が生む市場の二極化

週半ばはSOXX(フィラデルフィア半導体ETF)が大きく上昇し、市場の話題を独占しました。AI向け半導体需要の根強さに加え、イラン制裁による半導体輸出規制がむしろ米国半導体メーカーの競争優位につながるとの見方が広がり、買いが集まった形です。とはいえ、こうした「地政学リスクが特定セクターの追い風になる」という構造は、市場の二極化を一層深める要因でもあります。全体相場が不安定な中、セクター選択の重要性が際立つ1日でした。

関連タグ: SOXX/半導体ETF/イラン制裁


木曜日(6/4)

イラン危機で原油急騰——「戦争インフレ」がFRBと欧州経済に与える影響

木曜日は、イラン情勢の緊迫化を受けて原油価格がさらに上昇し、「戦争インフレ」という言葉が市場で飛び交い始めました。原油高が続けばガソリンや物流コストを通じて物価全般を押し上げ、FRBの利下げシナリオが遠のくとの観測が強まりました。欧州経済への影響も懸念され、グローバルな景気減速シナリオへの警戒感がリスク資産全般を圧迫した1日となりました。前日のSOXX急騰とは打って変わって、市場のムードが一変した印象です。

関連タグ: 原油/戦争インフレ/FRB


金曜日(6/5)

ホルムズ海峡封鎖で原油急落——エネルギー市場の行方を解説

この日は「ホルムズ海峡の事実上の封鎖」という報道が流れると、原油価格が一転して急落するという意外な動きが見られました。需要減速への懸念や、産油国の増産合意といった観測も重なり、エネルギーセクターが大幅安となりました。一方、週末の雇用統計を控えた様子見ムードも強く、株式市場全体としては小幅な動きにとどまりました。ただし、翌日の雇用統計ショックの布石となる不穏な空気がこの日から漂い始めていました。

関連タグ: 原油/ホルムズ海峡/エネルギーセクター


土曜日(6/6)

雇用統計ショックでSOXX急落——半導体株が示す二重リスクの構造

週末の雇用統計が市場予想を大幅に下回り、景気後退リスクへの懸念が一気に高まりました。需要の柱であるAI投資の持続性に疑問符が付いた格好で、水曜日に急騰していたSOXXが今度は急落。地政学リスクによる供給不安と、景気減速による需要縮小という「二重リスク」を半導体セクターが体現した形となりました。この日の下げがQQQの週間▲5.07%という大幅下落を決定づけ、市場に重い空気を残したまま今週の取引は幕を閉じました。

関連タグ: 半導体株/SOXX/雇用統計


ポートフォリオ週次レポート

週間サマリー

項目金額
週末評価額(6/6時点)約954万円
週間市場変動(積立除く)約▲28.6万円
週内積立合計+15万円
週初評価額(6/1時点)約968万円

日別評価額推移

日付評価額備考
6/1(月)968.0万円週のスタート
6/2(火)988.0万円積立+15万円実行
6/3(水)991.9万円週内の最高値
6/4(木)986.6万円反落
6/5(金)987.5万円やや持ち直し
6/6(土)954.4万円雇用統計ショックで下落

今週の所感

週半ばには991万円台まで積み上がっていただけに、週末の急落は少々堪えるものがありました。とはいえ、NASDAQが▲5%超の週にポートフォリオの下落が▲28.6万円(市場変動分)に抑えられているのは、S&P500中心の分散積立が機能している証左だとも受け止めています。

雇用統計ショック・地政学リスク・インフレ懸念と、悪材料が重なった1週間でしたが、こういった「嫌なニュースが重なって市場が大きく揺れる局面」は、長期投資家にとってはむしろ着実に口数を積み上げる好機でもあります。今週の15万円積立も、そのような視点で粛々と実行しました。合計評価額は一時的に954万円台まで後退しましたが、焦りはありません。相場は必ず波を繰り返しながら、長い目で見れば右肩上がりの軌跡を描いてきた——その事実を信じて、来週も淡々と続けていきます。


※本記事は投資情報の提供を目的としており、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任において行ってください。掲載しているデータ・情報は執筆時点のものであり、その正確性・完全性を保証するものではありません。

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エクラ
エクラ
40歳を過ぎたことをきっかけに、本格的に資産形成を開始。現在は投資信託を中心に、長期・分散・積立を軸とした運用を行っています。 年収の40%以上を投資に回しながら、実際の運用を通じて得た気づきや考えをもとに、資産形成や長期投資について発信しています。 短期の値動きに一喜一憂せず、タイミングよりも継続を重視するスタンスで取り組んでいます。
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