ゴールドプラスファンドの“見えないリスク”
なぜゴールドプラスファンドが注目されているのか
最近、積立ランキングの上位に出てくる
オルカンやS&P500、NASDAQ100の「ゴールドプラス」といったファンドをよく目にします。
どういった仕組みなのか気になったので調べてみました。
このファンドは、株式指数とゴールドを50:50で保有するように見えますが、実際はレバレッジがかかっており、
株式100%+ゴールド100%=合計200%の運用を目指す構造になっています。
少ない資金で大きな運用ができるというメリットがあり、一見すると「株もゴールドも両方持てるお得な商品」に見えます。
では、どうやって200%の運用を実現しているのかというと、先物取引を使っています。
先物取引とは、将来の売買価格をあらかじめ決めておく取引です。
簡単に言えば、
「将来、この価格で買います」という約束をしている状態です。
この仕組みによって、株式とは別にゴールドにも100%分のポジションを持つことができます。
ただし、この取引にはいくつか注意点があります。
まず、先物には期限(限月)があり、その時点でポジションを解消するか、次の契約に乗り換える必要があります。
これをロールオーバーと呼びます。
このロールオーバーの際にはコストが発生し、さらに先物価格には金利なども含まれているため、
信託報酬とは別に見えにくいコスト(いわゆる隠れコスト)がかかります。
さらに重要なのが、レバレッジによる影響です。
ここは勘違いしている人も多いかもしれませんが、
レバレッジがかかっている以上、逓減(ボラティリティによる目減り)は避けられません。
株とゴールドは基本的に異なる値動きをするため、
このファンドでは常に「上がった方を売って、下がった方を買う」というリバランスが行われます。
これは一見すると合理的に見えますが、
- 売買コストが発生する
- レバレッジがかかっているため影響が大きくなる
結果として、二重に効率が落ちやすい構造とも言えます。
ゴールドは本当に防衛資産なのか
本来ゴールドは、防衛資産として株式とは逆の動きをすることが期待される資産です。
しかし、ここ最近の値動きを見ると、
必ずしも安定しているとは言い難い場面も増えてきています。
短期間で大きく上下することもあり、「安全資産だから安心」という前提が崩れるような動きも見られます。
実際に、年間で見ると株式を上回るパフォーマンスを出している年もあり、
これは裏を返せばそれだけ値動きが大きいということでもあります。
つまりゴールドは、
「安定している資産」ではなく、
**「株とは違う方向に動くことがある資産」**であり、
必ずしもリスクが低いというわけではありません。
このような資産にレバレッジをかけている以上、
- 株も動く
- ゴールドも動く
- さらにレバレッジがかかる
という構造になり、
思っている以上に値動きが大きくなりやすい商品と言えます。
また、本来ゴールドは「防衛資産」として、株が下がった時のクッションの役割を持ちます。
しかしこのファンドの場合、確かにドローダウンは抑えられる可能性はあるものの、
いざ現金が必要になった時に、ゴールドだけを切り離して売ることができません。
なぜ「一見よさそう」に見えるのか
この商品が魅力的に見える理由はシンプルで、
「株もゴールドも両方持てる」
という点にあります。
株が上がれば利益が出る
株が下がってもゴールドがカバーしてくれる
そう考えると、リスクを抑えながらリターンも狙えるように見えます。
しかし実際には、
- レバレッジによる逓減
- ロールオーバーコスト
- 継続的なリバランス
といった要素が積み重なり、
「思ったより増えない」構造になりやすいのが特徴です。
さらに、株とゴールドが逆に動く場面では、
利益を伸ばすのではなく、
上下をならす動きになってしまうため、結果としてパフォーマンスが抑えられやすくなります。
つまりこの商品は、
両方が長期的に上昇し続けることを前提とした商品だと考えています。
それであれば、
自分で
- 株式
- ゴールド
- 必要であればレバレッジ商品
を組み合わせてポートフォリオを組んだ方が、
調整もしやすく、余程合理的だと私は思います。
まとめ
長期投資において重要なのは、複雑な仕組みでリターンを取りに行くことではなく、
シンプルで理解できる形を長く続けることだと思っています。
